新規開発よりも価値の創出をポリシーとしています。
従来からのこだわりはもちろんのこと、
新しい組み合わせやアイデアで、価値を生み出しています。
ラー油をベースにそのまま食べられる調味料が大ブームだった2010年前後、飯田には「おでんをネギダレで食べる」伝統ががあり、ご当地調味料としてそのまま商品化できると踏みドレッシングの瓶に入れて販売。「在庫7カ月分があっという間に2回転」というヒットとなりました。
生協で扱われて知名度を上げ、みやげ物店、高速道路のサービスエリア、スーパーの豆腐売り場、グロッサリーショップなどで全国的に好調な売れ行きとなりました。
200グラムの従来品に対し、すぐに食べられる大きさに切りそろえてパックに入れた野沢菜漬です。単身世帯が当たり前になり、東京では包丁を持たない人も増えている現状から可能性があると判断。
定番商品の並ぶスーパーに並べて置くと、安定した売れ行きを示すようになりました。
原料の大豆を煮る(蒸す)ことから始まる味噌造りは、高温の蒸気で一気に蒸し上げるやり方が一般的です。しかし当店では、信州アルプスの大量の地下水で、ゆっくり時間をかけて煮熟しています。これは大豆の色や旨みを最大限に引き出すための創業以来のこだわりです。
そしてもう一つ大切な原料がお米です。お米を二度蒸しして手間をかけ、ほのかに焼き栗の香りがする米糀が、味噌の質を引き上げていくのです。
天地返し[てんちがえし]
寒暖差の激しい伊那谷の土地で、じっくりと塾生させる天然醸造味噌。旨味を左右する発酵の途中に、約4トンもの味噌桶の味噌を別の桶へ移す作業「天地返し」を行います。「完全手作業」による天地返しは、大変な労力を要しますがその分、発酵の力が強くなり旨味の多い味噌に仕上がります。
追糀[おいこうじ]
熟成させた味噌に、さらに米糀を増す技法「追糀」。通常は味噌が熟成するにつれ、酵素の働きで米糀の甘味成分は分解されてしまいますが「追糀」を行うことで米糀の甘味を残し、色ツヤの良い糀味噌を造ることができます。天地返し同様、職人の手だけが頼りになる伝統技法です。
約4トンの味噌を塾生させる木桶は、高さ1.9m 直径2.2mの大きさで、底は桧、周りはさわらで造られています。通気性のある木桶の中、伊那谷の風と木桶に棲む酵母たちによって、風味の良い味噌が熟成されていきます。
また同じ原料・製法であっても、蔵ごとに棲みついている酵母が微妙に異なっていく「蔵ぐせ」をつかむことで、その蔵元だけの味が表現されるのです。
「味噌汁を煮直しても風味がだれない、腰のあるしっかりした味噌を造る」
丸昌稲垣の味噌蔵には受継がれてきた理念が宿っています。
飯田市上郷黒田の味噌工場には一号から十六号までの味噌蔵があります。
写真に写っているのは公開している一号蔵です。道を挟んだ写真右手には直営店の稲垣来三郎匠があります。
味噌蔵内は「香ばしい味噌」「たまりの香り」が充満しています。味噌は熟成することでだんだんと膨らむため重石が置かれます。桶に付着している物は味噌からこぼれ出た“たまり”です。堅く結晶化してしまうこの塊は、味噌が熟成された証といえます。味噌の熟成が終わるときれいに洗浄され、新たな味噌が仕込まれます。
味噌造り百年。糀の特性を知り尽くした丸昌稲垣が、手間暇を惜しまずじっくり仕込んだ自慢の甘酒です。酒粕を加えない信州伝統の甘酒は、アルコール度ゼロパーセント。小さなお子様も安心して美味しく召し上がっていただけます。
「米」「糀」「塩」 材料はこれだけ。お砂糖は一切加えていません。濃厚な甘みと旨味は、お米から丁寧に引出したもの。口に入れた瞬間にほっとする、懐かしくて優しい味わい。お好みの味に調節出来る濃縮タイプ、お料理やお菓子の材料としても活躍します。
ちょっと大人のお召し上がり方
辛口の日本酒や、米焼酎と1:1で割ってもおいしくお召し上がりいただけます。